イノシシから田畑を守る猟師を増やしたい 里山まもり隊

「吉野ヶ里遺跡」で有名な、佐賀県吉野ヶ里町ではイノシシによる作物の被害が増えています。獣害の対策と猟師確保が急務です!

【東京での募集説明会】

東京でのマッチングイベントに出展します。募集に興味を持った人はぜひ会場にお越しください。

「地域おこし 縁結びキャラバン」
日時:令和7年11月29日(土)13:00~16:30
会場:東京交通会館12FカトレアサロンA
   (〒100-0006 東京都千代田区有楽町2-10-1)


🔻イベント詳細はこちら
https://www.iju-join.jp/chiikiokoshi/enmusubi.html

人が里山で暮らすために必要なこと

里山で人が暮らし続けるには、家や田畑を自分たちで守らなければなりません。
”里山まもり隊”の仕事は、狩猟免許取得から、はこ罠やくくり罠によるイノシシの捕獲、運搬、解体、食肉加工までの経験を積むことができるため、田舎暮らしや猟師を目指したい方にも良い経験になるはずです。捕獲から加工までできる環境がある仕事は珍しいと思います。

また、獣害対策の重要性と有効な方法を地域で広め、地域全体で対策ができるように活動します。猟師の高齢化に対応していくため、担い手を掘り起こしていくことも必要となります。

「里山まもり隊」の名前のとおり、一つ一つの活動が、里山での農業活動を守る仕事です。これからも人が里山で暮らしていくための、本質的な活動であると考えます。

これまでの経緯

佐賀県吉野ヶ里町では、40年ほど前からイノシシやアライグマによる農作物被害が増えてきており、役場からの依頼で、地元の猟友会が駆除を担うようになりました。一方で、駆除した個体の処理(山中埋葬)の負担が大きいという問題がありました。

そこで吉野ヶ里町は、平成30年度に町内で駆除したイノシシやアライグマの廃棄拠点となる「吉野ヶ里町脊振山系鳥獣処理加工センター」を建設しました。

併せて「(一社)脊振山系鳥獣処理加工センター」(以下、処理加工センター)を設立。猟友会員の約60名が会員であり、そのうちの5名が役員となって運営を行っています。猟友会員は、町内で駆除したイノシシを処理加工センターに搬入することで、処分の負担を大きく軽減させることができ、駆除活動の効率化も図られました。

さらに、適切に血抜きされた一部の個体は、処理加工センターで検査・解体され「脊振ジビエ」として販売しています。「脊振ジビエ」は、地元のスーパーや道の駅で販売されており、町外の方を中心に人気の商品となっています。

駆除したイノシシを副産物として利用することで、住民・狩猟者・町が一体となって有害鳥獣被害対策に取り組んでいます。

広報吉野ヶ里特集 豊かな里山を守る×背振ジビエを知る

現在の課題

課題①  効果的な被害対策

猟友会員による駆除活動は今も行われていますが、依然として中山間集落でのイノシシによる農作物被害は後を絶ちません。町内では平成22年度~平成27年度にかけてイノシシ対策のワイヤーメッシュ柵を整備しましたが、イノシシは柵のわずかな隙間から農地に侵入し田畑を荒らします。柵の補強などの侵入防止対策を図りますが、対応に個人毎でバラツキがあることなどから、十分な対策とは言えない状況です。

中山間の地区を対象にした獣害対策の勉強会等を実施することで、イノシシから農地を守る自衛の意識を高め、地域全体での連帯感の醸成を図る必要があります。

課題② 猟友会員メンバーの高齢化

吉野ヶ里町猟友会の人数は25名(令和7年度)。うち、60歳代以下の若手メンバーも12名いらっしゃいます。
一方で、令和5~6年度のイノシシ捕獲頭数318頭のうち279頭は、61歳以上のベテランハンターによるものです。今も熟練の方々が駆除活動の中心になっています。

60歳以下の若手は、他の仕事をしながらの活動ということもあり、狩猟免許を取得しても駆除活動は行わないペーパーハンターもいらっしゃるのが現状です。ベテランハンターも高齢化に伴い、引退をされる方も増えてきており、現状のままでは駆除従事者の減少に歯止めがかからない状態です。状態の良いイノシシ捕獲ができないと、ジビエとしての食肉利用率も減少します。

処理加工センターの運営メンバーも高齢化が悩みどころです。法人の設立当初(平成30年度)は役員は10名でしたが、病気等を理由に退任され、現在は役員5名で加工センターの運営を行っています。その5名も多くは80歳以上であるため、日々の受入・搬入、解体、ジビエ精肉作業に苦労されています。

最近では後継者育成のため、猟友会の中の若手に声をかけ、処理加工センターの作業をお手伝いしてもらっています。

上記のような課題を解決するため、猟友会としては定年退職直後の方や農家の方などに狩猟活動に加わってもらう担い手の掘り起こしを目指しています。また、(一社)脊振山系鳥獣処理加工センターとしては、将来的なセンター運営の世代交代を見据えて活動してきたいと思っています。

吉野ヶ里町脊振山系鳥獣処理加工センター

具体的な仕事内容

里山まもり隊の主なメイン業務は3つです。

【伝える】獣害対策に関する情報提供や勉強会の企画運営
【掘り起す】はこ罠等の猟の担い手・ハンターの掘り起こし
【習得する】獣害対策や狩猟・加工に関する技術の習得

なお、里山まもり隊は、地域おこし協力隊の制度を活用しており、吉野ヶ里町の会計年度任用職員という公務員の立場となります。雇用関係等は会計年度任用職員のルールに準じます。

<メイン業務>

【伝える】獣害対策に関する情報提供や勉強会の企画運営
地区ごとの集会などに参加し、獣害対策の正しい知識を身につけるような農家向けのミニ講習会を行います(年1回〜2回×10地区の想定)。また、勉強会の参加者との交流を通して、地域の被害の実態調査も進めていきます。

【掘り起す】はこ罠等の猟の担い手・ハンターの掘り起こし
地域活動や猟友会のお手伝いを通して、担い手の候補となりそうな地域の方々と知り合い、狩猟活動の仲間を増やしていきます。目標は3年間で3人以上の担い手をみつけることです。

【習得する】獣害対策や狩猟・加工に関する技術の習得
イノシシの駆除が増える冬季は、処理加工センターにて処理と食肉加工の手伝いをしていただきます。週2日午前中(火・木曜日)を想定しています。

他にも、デスク作業とサブ業務があります。

<デスク作業>
週1日(金曜日)は、役場のデスクにて打ち合わせや事務作業を行います。

打合せ:役場職員との打ち合わせ、朝/夕の出勤管理:一緒に活動する役場職員への勤務状況の報告や、業務内容に関する打ち合わせ等も重要な業務です。
資料作成:勉強会や情報発信を行う上で、必要な資料の作成をします。勉強会に参加してくださる対象者は高齢の方も多いので、皆さんにとって読みやすい、わかりやすい資料の作成を心がけます。
被害のレポート作成(エクセル):地区、作物の種類、面積など被害の実態調査で得た情報をレポートにまとめておくことで、地域の被害情報を行政として把握・対策を検討することができます。
資格勉強:資格取得のための勉強時間も合間に行います。

<サブ業務>
・ハンター見習い業務:
はこ罠の資格を取得し、冬季は週2日程度は見習いハンターとして、猟の経験を積みます。
・イベントの運営補助:
脊振山系鳥獣処理加工センターと同じ敷地内にあるさとやま交流館でのジビエを活用したイベント(ジビエ料理教室等)を年に2回程度農林課主催で行うため、そのイベント企画運営の補助を行います。
・自治会長さんと交流:
日頃から、地域の自治会さんとはコミュニケーションを積極的にとっていきます。地域の状況を知ることや信頼関係の構築に繋がります。
・広報誌
広報誌でも定期的に活動を伝えることで、獣害対策やジビエの魅力について情報発信を行います。

また下記、鳥獣対策や食肉加工など業務に必要な研修もあるため、随時参加し、知識を深めます。

<研修情報>
4月:鳥獣行政担当者会議(座学)
5月:鳥獣対策基礎研修(座学)
7月:鳥獣対策基礎研修(実技)
9月~2月:捕獲技術を中心としたイノシシ被害対策習得研修(年6回)
7月:農作物鳥獣被害防止対策研修(Web)
1月:地域に向けたジビエ基礎知識セミナー(毎年1回九州内で開催)
 1日目)食肉処理施設見学、解体処理習習
 2日目)講義(狩猟時の安全確保、ジビエの魅力や肉質の特徴、調理加工のポイントなど)

3年間の活動イメージ

【1年目】
すでにある活動を手伝いながら、学ぶ時期です。町内をめぐり、地域のイベントごとに参加して、顔と名前を覚えてもらいます。
地域のことが分かってきたら、「猟友会」のお手伝いをして、先輩猟友会員の指導を受けながら有害鳥獣の捕獲活動に挑戦していきます。
また、研修や先輩からの指導を通して、狩猟に関する知識や技術の習得、冬の期間には、加工センターでの作業を体験して、解体・精肉技術の習得をしていくことで、狩猟について、加工について学んでいきます。

<狩猟と加工技術の磨き方>
猟友会のメンバーは現在25名、平均年齢61歳。仕事をしながら猟に参加したり、仕事を退職した方が所属しています。
イノシシは罠猟と銃を使います。獲る技術も経験が必要ですが、商品として出荷するためには、血抜きや解体の技術も学ばなければなりません。猟友会のベテラン猟師さんや加工センターの職員から丁寧に教えてもらいながら技術を磨いていけます。

【2年目~3年目】
2年目からは、これまでの知識や経験を活かして、【伝える】【掘り起す】にも力をいれていきます。
・地区ごとの集会に参加し、獣害対策の正しい知識に関するミニ講習会
・勉強会の参加者との交流を通して、地域の被害の実態調査
・地域の活動(イノシシなど有害鳥獣の駆除活動など)へ参加し、狩猟に興味がある方や、ありそうな方の掘り起こしや、ハンティング!

<卒業後のイメージ>
3年間の経験を活かして定住してくれたら嬉しいです!獣害対策だけで食べていけるわけではないですが、任期中にたくさんの方と出会うことで、あなたにこのまま吉野ヶ里町に残って欲しいと感じた地域の方からの隠れ求人の紹介や、起業の種を見つけることもあると思います。半猟師半Xな里山暮らしを応援しています。

担当者からのメッセージ

服部(写真右):吉野ヶ里町農林課振興係の服部です。当町は、山間部から平野部まで、縦に長い町となっています。山間部の地域では鳥獣被害により、農家の方が苦労されています。そのため、猟友会と協力し、対策をしておりますが、猟友会の高齢化等により課題がたくさんあります。そこのあなた!!私たちと一緒に地域を守っていきましょう。

八谷(写真左):吉野ヶ里町農林課で鳥獣対策を担当している八谷です。生まれも育ちも吉野ヶ里町の生粋のよしのがりっ子です!町内の山間部にはイノシシもたくさん生息しています。田んぼを守るために地元の猟友会の方々も日々駆除を行っていますが、イノシシはわずかな隙も見逃さず田畑を荒らしてしまいます。地元の農家の皆さんも対策に行き詰まり、諦めてしまう人もおられるのが現状です。この町でぜひ一緒に山間部での鳥獣対策について学び、得た知識や経験を地域の農家のみなさんへ伝えること、人手不足で悩む地元猟友会の新たな仲間探しなど、隊員のミッションとして私たちと一緒に鳥獣対策に挑戦しましょう!

地域のキーパーソン

大澤:猟友会神埼支部の支部長と(一社)脊振山系鳥獣処理加工センターの代表理事を務めている大澤達之です。鳥獣処理加工センターでは駆除後のイノシシは「脊振ジビエ」として食肉活用する命の循環に挑戦しています。しかし、近年は猟友会、加工センターの役員の高齢化に悩んでいます。吉野ヶ里町の猟友会員は60歳以下の比較的若手が多く在籍していますが、イノシシの駆除活動に精力的に取り組んでいるのは70歳代~80歳代の大ベテランが中心になっているのが実情です。ぜひ猟友会の仲間探しと、ときどきでもいいので加工センターでの作業を体験していただきたいです!イノシシの解体方法を優しく分かりやすく教えます。

必須要件

① 普通運転免許(AT限定不可)
② PCのスキル
 ワード(簡単な企画書・報告書)、エクセル(被害報告書)、パワーポイント(勉強会のチラシ)を仕事として使える方
③ 地域おこし協力隊の地域要件を満たしていること
③ 狩猟免許試験の受験資格を有していること(着任後の受験を想定)
 参考;4受験資格
https://www.pref.saga.lg.jp/kiji00360440/index.html
※獣害や農業については、着任後に勉強していただくので予備知識や経験は必要ありません。
※イノシシの駆除を行うため、動物の血や死骸に強い抵抗がある場合は対象となりません。

歓迎要件

・狩猟免許(罠・銃)をすでに持っている方
・説明、傾聴能力があるひと
・元気がある人

吉野ヶ里町はこんなところ

人口16,064人(令和7年4月現在)の吉野ヶ里町は、佐賀県東部に位置し、脊振山地と佐賀平野に挟まれた豊かな自然と深い歴史を兼ね備えたまちです。日本最大規模の弥生時代の環壕集落「吉野ヶ里遺跡」があり、復元された竪穴式住居や物見やぐら、出土品などを通して古代の暮らしを学ぶこともできます。また、農業が盛んで、日本茶(栄西茶)発祥の地としての有名です。

吉野ヶ里歴史公園
https://www.yoshinogari.jp/information/zone/ancient-field/

観光スポットとしては、歴史公園の他に「アドベンチャーバレーSAGA」などアウトドア施設や温泉「ひがしせふり温泉 山茶花の湯」、地元食材を扱う道の駅「さざんか千坊館」などがあり、家族連れや歴史ファンが訪れています。

ひがしせふり温泉 山茶花の湯
道の駅「さざんか千坊館」

町内にはJRの駅や西鉄バスが通り、インターチェンジもあって交通の利便性が高い町です。子育てするのも便利で、町自体がコンパクトにまとまっており、住みやすく、災害も少ない町です。3駅で佐賀市で行われる国際交流イベントに一緒に参加したりもできます。車で30分で佐賀市内に出て行け、普通電車で1時間で博多駅まで出て行ける程よく田舎で暮らしやすい町です。

吉野ヶ里町移住・定住のススメ2024(PDFファイル:7MB)
https://www.town.yoshinogari.lg.jp/material/files/group/48/susume2024.pdf

・電車でのアクセス
  JR佐賀駅からJR吉野ヶ里公園駅まで約13分
  JR博多駅からJR吉野ヶ里公園駅まで約45分

募集要項

募集対象
【必須要件】
① 普通運転免許(AT限定不可)
② PCのスキル
 ワード(簡単な企画書・報告書)、エクセル(被害報告書)、パワーポイント(勉強会のチラシ)を仕事として使える方
③ 狩猟免許試験の受験資格を有していること(着任後の受験を想定)
 参考;4受験資格
https://www.pref.saga.lg.jp/kiji00360440/index.html
※獣害や農業については、着任後に勉強していただくので予備知識や経験は必要ありません。

※イノシシの駆除を行うため、動物の血や死骸に強い抵抗がある場合は対象となりません。

【歓迎要件】
・狩猟免許(罠・銃)をすでに持っている方
・説明、傾聴能力があるひと
・元気がある人

※別途、地域おこし協力隊の地域要件を満たしている必要があります。詳しくは下記、総務省の「地域おこし協力隊及び地域プロジェクトマネージャーの地域要件について」参照
https://www.soumu.go.jp/main_content/000862229.pdf
https://www.soumu.go.jp/main_content/000862230.pdf

募集人数
1人

勤務地
吉野ヶ里町役場 農林課  
加工センターや猟友会活動に行ったり、地域への説明会へ出向きます。

雇用形態・期間
吉野ヶ里町地域おこし協力隊設置要綱に基づき、吉野ヶ里町の会計年度任用職員(パートタイム)として任用します。
雇用期間は、令和8年5月1日(予定・応相談)から令和9年3月31日までとします。ただし、最長で3年間まで延長することができます。
 副業が可能です。事前にご相談下さい。

給与・賃金等
月額:291,600円(期末・勤勉・各種手当なし)
会計年度任用職員の給与規定に基づき支給されます。

待遇・福利厚生
・住居:町が負担
・活動経費:車両、消耗品等は町が負担
・各種研修、狩猟免許取得支援制度あり
・健康保険、厚生年金、雇用保険に加入していただきます。
・私用に使う車については、自家用車をご用意いただくか、地元の車屋さんからリースをすることも可能です。
※引っ越し費用、生活備品、光熱水費、その他の経費はご負担いただきます。

申込受付期間
令和7年12月21日(日)23時59分まで

審査方法
■選考方法
(1) 第1次選考【書類選考】
①履歴書(写真付き)
②志望動機書(A4・1~2枚)
③住民票(写真可)
・メール提出時のタイトルは「吉野ヶ里町地域おこし協力隊応募(獣害対策)」としてください。
【提出期限:令和7年12月21日(日) 23:59】
※選考結果は令和7年12月26日(金)までに履歴書に記載のE-mailアドレスに「メール」にて通知します。(選考内容についてはお答えできません)

<申込・問い合わせ先>
吉野ヶ里町 (担当 服部/八谷)
〒842-0193佐賀県神埼郡吉野ヶ里町三津777
TEL: 0952-37-0347(直通) Fax:0952-53-1106
E-mail:norin@town.yoshinogari.lg.jp

(2) 第2次選考【面接】(おためし協力隊 2泊3日)
第1次選考合格者は面接による第2次選考を実施します。
時期は、令和7年1月24 日(土)~26日(月)を予定しています。
詳細な内容は、第1次合格者へご連絡します。なお、「おためし協力隊」として2泊3日での地域の紹介や説明会などを予定しております。
    第2次選考結果は、令和7年1月30日(金)までに通知します。
※状況に応じて面接日が変更となる場合があります。
※応募に係る経費(書類申請費用及び面接時の交通費など)は、すべて応募者の負担となります。
※選考の経過及び結果についての問い合わせには応じられませんので、予めご了承ください。

■その他
お問合せや事前見学をご希望される場合は、「申込・問合せ先」まで、お気軽にご連絡(メール・電話)ください。
※選考に要する交通費及び宿泊費は本人負担となります。

お問い合わせ先
吉野ヶ里町役場 農林課 振興係
〒842-0193佐賀県神埼郡吉野ヶ里町三津777
TEL: 0952-37-0347
WEB:https://www.town.yoshinogari.lg.jp/index.html

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